⑤ 天上界からの啓示
・迷妄のなかにいるピエールを救ったのは、組合員Vの言葉です。
・「戦争と平和」では、次のように書かれています。
組合員Vと教訓的な長い会話を交換した。彼は余にむかって、組合員Aの説を遵奉するようにすすめた。余はまだその資格なき者なれど、多くの啓示を受けたような心持がする。アドーナイは世界を創造した人の名である。エロヒムは一切を支配する人の名である。第三の名は一切の意味を包含している名だが、口に発することができない。
フリーメーソンの神聖なる教えにおいては、すべてが唯一不可分であって、すべてが集合と生動のままで認識されるのだ。
・そして、このあとに夢で天上界から次のような啓示を受けるのです。
『いちばんむずかしいのは、人間の自由を神の掟にしたがわせることだ。』と、何かの声がこういった。・・・
いちばんむずかしいことは、心の中にすべてのものの意義を結合することだ、すべてを結合する?』とピエールは自問した。・・・
こういう思想を残らず繋ぐんだ。こいつが必要なんだ!
ピエールはこの言葉によって、まったくこの言葉のみによって、自分の言いたいと思うことが表現され、自分を苦しめている問題が全部解決されるのだと感じて、内心の歓喜を覚えながらこうくりかえした。
・悟りの世界ではこうした天上界からの啓示は終わりではなくスタートです。
・ピエールにも、このあと「火と水の試練」が待っているのです。
*なお「岩波文庫」の「戦争と平和」では、ピエールは「空想家」として解説されていて、この作品で一番重要な神からの啓示が「空想」として訳されているので、トルストイの本意は表現されていないと思います。
(7月10日)
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・⇒MSR001「トルストイの『戦争と平和』の主人公ピエールの体験と私の体験」
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・⇒MSR006「フリーメーソンと幸福の科学」①
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・⇒MSR006「フリーメーソンと幸福の科学」④
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